藤原 惟

発売中!『Markdownライティング入門』(インプレスR&D) Pandocユーザーズガイド翻訳者。フリーランス(ライター・エンジニア)、某専門学校講師。

青の短歌

ジェットカー日常運ぶ加速度で新たな青と憂いを知る紺

アジュールに溶けた詩人と言葉達ロックンロールは今でも響き

紅い頬淡い二人がであう日はキイノートの青ボンベイサファイア

ハニー・アンド・スパイス

悪い夢を見た――しかし淡い幸福に包まれていた。

彼女は別れ際の駅で言った。「離れたくない」

束縛したくない、嫌いになってほしくない。
将来のことを考えたい、明日のことは考えたくない。
バイバイしなくちゃいけない、離れたくない。

簡単に「矛盾」と片付けられるその気持ちは、しかし人間が生きていくことそのものであった。

生きた心地のしない、抜け殻の朝。
しかし前を進んでいくしかない、希望の朝。

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おはなしのおはなし

「あー、あの、道に迷いましたか?」

「はい、とげぬき島を目指しているのですが……」

「そうでしたか、災難ですね。でもね……ここにあなたはいてはいけない、はずなんですよ」

「よく分からないのですが……」

「大丈夫、ちょっと待っててくださいね」

私は何行かタイプし、F5キーを叩いた。

「よし、通った。何が『小説家になれ!』だよ、もっと『カケヨメ』を見習えよ……」

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新しい靴

新しい靴を買った

自分を奮い立たせるために

白い靴を買った

汚くなった靴のような自分の心を変えるために

防水スプレーを買った

今の気持ちを失わないように

そして詩を書いた

空の青となった青の詩人に近づくために

(自身のブログ『サードウェーブ系哲学的ゾンビ』より転載)